遺品整理をしなければならなくなったとき、まず気になるのが「費用はいくらかかるのか?」という点ではないでしょうか。
実は、遺品整理の料金は部屋の広さや荷物の量、さらには地域や依頼内容によって大きく異なります。
また、見積もりと実際の請求金額に差が出るケースも少なくありません。
この記事では、
- 1K〜4LDKまでの間取り別の費用相場
- 特殊なケース(孤独死・ゴミ屋敷など)の高額事例
- 費用を抑える方法
- 悪徳業者への対策
まで、初心者の方でも分かりやすいように徹底的に解説します。
遺品整理の費用相場を今すぐ知りたい方へ【結論】
遺品整理の費用は「間取り」や「物量」によって大きく変わります。
しかし、一般的な相場は1Kで約3万円〜、4LDK以上では100万円を超えることもあります。
作業内容・人員・地域・オプションの有無によっても差が出るため、まずは部屋の広さ別の目安を確認することが大切です。
以下に代表的な費用目安をまとめました。
部屋の広さ別|遺品整理の費用早見表(1K〜4LDK)
間取りごとにおおよその費用相場が存在します。
部屋が広くなれば荷物も多く、作業人員や時間が増えるため費用は高くなります。
間取り | 費用相場 | 作業時間 | 作業人数 |
---|---|---|---|
1K・1R | 30,000円~80,000円 | 1〜2時間 | 1〜2名 |
2DK | 90,000円~250,000円 | 2〜6時間 | 2〜5名 |
3LDK | 170,000円~500,000円 | 5〜12時間 | 4〜8名 |
4LDK以上 | 220,000円~600,000円 | 6〜15時間 | 4〜10名 |
一軒家・マンション・ゴミ屋敷・孤独死などケース別費用例
特殊なケースでは費用が大きく上がることがあります。
例えば、ゴミ屋敷や孤独死が発生した場合は、清掃や除菌、リフォームが必要になり、追加で数十万円かかることも。
以下は代表的なケースの費用目安です。
- 一軒家(4LDK+物置あり): 60万〜100万円以上
- マンション(3DK程度): 15万〜30万円
- ゴミ屋敷(2LDK): 30万〜80万円
- 孤独死現場(特殊清掃込み): 50万〜100万円以上
現場の状況によって大きく異なるため、写真や訪問による見積もりを必ず取りましょう。
見積もり時の平均相場と実際にかかる費用の差
見積もりと最終的な請求額に差が出ることはよくあります。実際、約半数の利用者が追加請求を受けたというデータも。
理由としては、見積もり時に確認されなかった物量や処分品の種類、搬出の難易度、追加オプションなどが挙げられます。
結論:「見積もり通りに終わる」とは限らないため、訪問見積もり時に作業範囲や追加費用の有無をしっかり確認しましょう。
遺品整理の費用はどうやって決まる?内訳と仕組みを徹底解説
遺品整理の費用は、「どんな作業をどこまでやるか」によって決まります。
基本料金に含まれる内容と、加算される項目を正しく理解すれば、不要な追加費用を避けることができます。
ここでは、内訳や影響要因、地域差、注意点について解説します。
費用の内訳:基本作業費・人件費・車両費・処分費・オプション費
遺品整理の費用は以下の項目で構成されます。
- 基本作業費:遺品の仕分け・梱包・搬出
- 人件費:作業員の人数や稼働時間に応じて変動
- 車両費:トラック台数・距離によって加算
- 処分費:廃棄物処理・リサイクル料金など
- オプション費:清掃、供養、買取査定、リフォーム等
これらの内訳が見積書に明記されているかを必ず確認しましょう。
料金に大きく影響する5つの要素とは?
遺品整理の料金は次の5つで大きく変動します。
- 部屋の広さ:広ければ人手と時間が必要
- 遺品の量:物が多いほど処分費と作業時間が増加
- 建物の構造:エレベーターの有無や階数など
- 搬出環境:トラックが近くに停められるかなど
- 特殊作業の有無:孤独死、腐敗臭対応などは別料金
事前にこれらの条件を業者と共有することで、正確な見積もりを得やすくなります。
エリア別の相場差は?地方と都市部でどれくらい違う?
都市部では人件費や処分費が高いため、同じ作業内容でも地方より1.2〜1.5倍ほど高くなる傾向があります。
特に東京・大阪など大都市圏は高め。
一方、地方では処分施設の距離が遠く、運搬費がかかる場合もあるため、一概に安いとは限りません。
結論:エリアによっては10万円以上の差が出ることも。地域相場を把握し、複数見積もりを取りましょう。
追加費用が発生する主なケースと注意点
追加費用がかかるのは、「見積もりに含まれていなかった作業が必要になった場合」です。
代表的な例は以下の通りです。
- 特殊清掃(腐敗臭・血液など)
- 想定以上の物量(倉庫や庭の中身など)
- 急なキャンセルや日程変更
- トラックが近づけず、搬出に時間がかかる場合
契約時に「追加費用が発生する条件」を明確にしておくことが、トラブルを避ける最大のポイントです。
オプションサービス費用一覧|供養・清掃・特殊対応など

遺品整理では、基本作業に加えてさまざまな「オプションサービス」が利用できます。
特に供養・清掃・撤去・消臭などはニーズが高く、業者ごとに無料で対応してくれるものもありますが、有料の場合もあるため注意が必要です。
以下で、無料・有料のサービス内容と相場を確認しましょう。
無料で付けられることが多いサービス
実は、遺品整理業者の中には、基本料金の中に「無料オプション」を含んでいるところも多くあります。
事前に確認しておけば、費用を抑えつつ満足度の高いサービスを受けることが可能です。
- クレジットカード決済:現金不要で支払いがスムーズ
- 女性スタッフの指名:一人暮らしの女性でも安心
- 簡易清掃:作業後に簡単な掃き掃除を実施
- 合同供養:他の遺品と一緒にお焚き上げ
- 立ち会い不要の作業:遠方からでも依頼可能
- 不動産業者や専門家の紹介:売却や相続対応がスムーズ
これらは「無料だから手抜き」というわけではなく、サービス品質を高める工夫の一環。
必ず見積もり時に「何が無料か」を確認しましょう。
有料オプション一覧(お焚き上げ・エアコン撤去・害虫駆除など)
次のようなオプションは、原則として追加料金が発生します。
必要に応じて選ぶことで、より丁寧な整理や清掃が可能になります。
サービス内容 | 費用相場 |
---|---|
お焚き上げ(仏壇・写真・遺品など) | 3,000円〜10,000円 |
自宅供養(お坊さんの読経など) | 20,000円〜 |
エアコン取り外し | 無料〜6,000円 |
畳の撤去 | 3,000円〜(1枚あたり) |
害虫駆除・防除 | 10,000円〜 |
消臭・除菌 | 10,000円〜 |
ハウスクリーニング(部屋全体) | 15,000円〜 |
廃車手続き(車・バイク) | 8,000円〜15,000円 |
業者によってはパッケージで割引になることもあるので、複数項目を依頼する際は相談してみましょう。
特殊清掃が必要な場合の費用目安と判断基準
孤独死や腐敗臭がある部屋は、通常の遺品整理では対応できず「特殊清掃」が必要です。
費用は10万〜30万円が相場で、汚染が進んでいる場合はさらに高額になります。
以下のようなケースでは特殊清掃が必要になる可能性があります:
- 死後しばらく発見されなかった(体液・腐敗臭)
- 害虫やカビの大量発生
- 血痕・異臭が残る
費用の内訳には「オゾン脱臭」「床・壁の張替え」「殺菌・消毒」「養生作業」などが含まれます。
判断に迷ったら、専門業者に写真などで事前相談するのがおすすめです。
実際の費用はいくら?ケース別の事例から見るリアルな価格

遺品整理の費用は間取りや条件によって大きく異なります。
ここでは実際の事例を元に、1Kの最安値から、買取で費用が相殺されたケース、特殊清掃が必要な高額ケースまで幅広くご紹介します。
ご自身のケースと照らし合わせて、費用感の参考にしてください。
1Kで遺品が少ない場合(最安値事例)
最も費用が抑えられるのは、1Kの単身住まいで物が少ないケースです。
このような事例では、作業員1〜2名・作業時間1〜2時間で完了し、費用も約3万円〜5万円程度で収まることが多いです。
貴重品が事前に整理されていた場合や、エレベーターありのマンションなど環境が良いとさらに低価格で済みます。
3DKで物量多め・地方エリアのケース
地方の3DK住宅で、家具・家電が多数残っているケースでは、作業人数も増えるため費用は約15万〜30万円が目安となります。作業時間は半日〜1日。
地方は人件費が安い傾向があるものの、廃棄物処理施設が遠いとその分コストが加算されることも。
地元密着型の業者に依頼することで、費用を抑えられる可能性があります。
4LDK一軒家+物置・庭付き・特殊清掃ありの高額事例
最も費用が高くなるのは、大型一軒家での遺品整理に加え、特殊清掃や庭・物置の整理が必要なケースです。
このような場合、総額で60万円〜100万円超となることも珍しくありません。
トラック複数台・作業員5〜10名が2日以上かけて作業を行います。
特に孤独死やペット臭の除去などが絡むと、特殊清掃費用も加算されます。
買取で費用が相殺された成功事例
ブランド家具や家電・貴金属・骨董品など、価値のある遺品が多かったケースでは、買取価格によって作業費を相殺できた成功事例もあります。
例えば、作業費15万円に対し買取が10万円つき、実質負担が5万円で済んだというケースも。
結論:買取対応のある業者を選び、できれば事前に査定しておくことで、費用を大幅に削減できる可能性があります。
遺品整理の費用を安く抑えるため4つの方法
ここでは、遺品整理の費用を安く抑えるための具体的な4つの方法をご紹介します。
なお、詳しくは「遺品整理を安くする7つの方法」の記事で詳しく紹介しています。
自分でできることを前もって整理しておく
事前にできることを整理しておくだけで、費用は大幅に削減できます。
特に、写真・書類・貴重品・思い出の品など、処分できないものをあらかじめ分けておくと、業者の作業時間が短縮され、料金にも反映されます。
また、明らかなゴミや不用品を袋詰めしておくだけでも作業効率がアップし、結果的に費用の節約につながります。
価値のある遺品は買取・リユース活用
不要な遺品の中にも、お金に変えられるものがあるかもしれません。
遺品整理業者の中には、貴金属・家具・家電・骨董品などをその場で買い取ってくれるところもあります。
また、フリマアプリやリサイクルショップを活用すれば、自分でより高く売ることも可能です。
うまくいけば、買取額が作業費を上回り、実質無料になることもあります。
自治体の粗大ごみ回収を併用する
大きな家具や家電は、自治体の粗大ごみ回収を使うことで大幅に安く処分できます。
業者に処分を依頼すると1点あたり数千円〜1万円程度かかることもありますが、自治体なら数百円のシールを貼るだけで済む場合が多いです。
あらかじめ回収日を確認し、スケジュールに余裕をもって申し込みましょう。
複数業者から見積もりを取り比較する
遺品整理で最も確実に費用を抑える方法は「相見積もり」です。
同じ条件でも、業者によって数万円〜十数万円の差が出ることがあります。
少なくとも3社以上から見積もりを取り、「作業内容」「費用内訳」「追加費用の有無」などを比較しましょう。
価格だけでなく、対応の丁寧さや信頼感も判断材料にするのがポイントです。
トラブルを避ける!悪徳業者の見分け方と対策
遺品整理では、業者選びを間違えると「高額な追加請求」や「雑な作業」などのトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
ここでは、悪質業者の特徴や、信頼できる業者を見極めるためのポイントを解説します。
こんな業者に注意!よくあるトラブル事例と原因
「最初は安く見えても、後から高額請求」そんな事例が後を絶ちません。
以下のようなトラブルが多く報告されています。
- 作業後に「想定以上の物量だった」として追加請求される
- キャンセル時に高額な違約金を請求される
- 貴重品を勝手に処分された
- 事前に説明がなかったオプション費を加算される
これらの原因は「契約内容の不透明さ」や「業者の質」によるものが大半です。契約前の確認が重要です。
信頼できる業者の特徴5つ(資格・許可・対応など)
以下の5つに当てはまる業者は、信頼できる可能性が高いです。
- 遺品整理士が在籍:専門資格で安心
- 古物商許可証を所持:買取が合法的に行える
- 見積もりが明瞭・丁寧:内訳をきちんと説明してくれる
- 口コミ・評価が高い:他の利用者の体験が参考に
- 柔軟かつ迅速な対応:相談に親身にのってくれる
特に「料金の安さだけ」で決めると失敗しやすいので要注意です。
契約前に確認すべき見積もり・作業内容チェックリスト
契約前に以下の項目を確認しておけば、トラブルの多くを防げます。
- 見積書に「追加費用の発生条件」が書かれているか
- 基本料金に含まれる作業内容が明記されているか
- 立ち会いの有無・時間帯の制限はあるか
- キャンセル料や支払い方法についての記載があるか
- 買取サービスの有無と査定方法
「口約束」ではなく、必ず書面で確認することが鉄則です。
わからない点は遠慮せず質問し、納得してから契約しましょう。
遺品整理の正しい進め方と費用の相談先
遺品整理は、精神的・金銭的な負担が大きいため、「いつ・どう進めるか」「どこに相談すればいいか」がとても重要です。
適切なタイミングと正しい手順を踏むことで、トラブルを避けつつ、無駄な出費も防げます。
ここでは、進め方と相談窓口を具体的に紹介します。
いつから始める?遺品整理の適切なタイミング
遺品整理のベストタイミングは、「心が少し落ち着いてから、かつ家賃や相続の期限に間に合う範囲」です。
急ぎすぎても気持ちが追いつかず、逆に時間をかけすぎると相続や家の管理に支障が出ることもあります。
目安としては、四十九日、一周忌、三回忌など、区切りとなる法要後に始める方が多いです。
ただし、賃貸住宅の場合は家賃が発生するため、できるだけ早めに整理を始めるのが得策です。
相続・権利トラブルを防ぐためのポイント
遺品整理を始める前に、法的な相続手続きと「相続人全員の同意」を得ることが必須です。
勝手に遺品を処分してしまうと、「財産隠し」や「勝手な処分」と誤解され、後々トラブルになるケースがあります。
以下の点に注意しましょう。
- 相続人全員で「形見分け」「処分範囲」などを事前に話し合う
- 価値があるものは勝手に処分せず、共有の判断を仰ぐ
- 遺産分割協議書や相続放棄の有無を確認
特に「不動産・預貯金・高額な物品」がある場合は、司法書士や弁護士への相談も検討しましょう。
困ったときの相談先一覧(行政・民間・地域窓口)
遺品整理に関する悩みは、行政・民間問わずさまざまな機関に相談できます。
以下に代表的な相談先をまとめました。
相談先 | 内容・支援内容 |
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市区町村の福祉課 | 生活困窮者向け支援、空き家対策、粗大ごみ情報など |
遺品整理士認定協会 | 遺品整理業者の紹介、資格業者の確認 |
司法書士・弁護士 | 相続・遺産分割・遺留分など法的相談 |
NPO法人や地域包括支援センター | 高齢者の見守り、地域密着の相談支援 |
信頼できる遺品整理業者 | 無料相談、見積もり、買取などワンストップ対応 |
どこに相談してよいか分からない場合は、まずは自治体の窓口か、認定業者への連絡がおすすめです。
まとめ|遺品整理費用は“事前準備と見極め”で大きく差が出る
遺品整理の費用は「準備」と「業者選び」で数万円〜数十万円の差が出ます。
物量や部屋の広さだけでなく、追加費用の有無、不要なオプション、業者の良し悪しが影響します。
まずは費用相場を把握し、複数社に相見積もりを取りましょう。
また、遺品を事前に仕分けし、買取やリユースを活用すれば、負担を大幅に軽減できます。
そして何より、信頼できる業者を見極めることが最も重要です。
大切な人の思い出を丁寧に整理するために、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。